ラフマ産地への旅

ラフマ産地への旅

1日目

今回訪ねたのは中国北西部にある新疆ウイグル自治区で、天山山脈の山麓からタクラマカン砂漠の入り口あたりです。ラフマの名前の由来であるロプノール(さまよえる湖)に通じるところで、ウルムチ、トルファン、コルラ、イリといった街を巡ってきました。 出発は9:30発の北京行き、3時間半のフライト。この日は北京に1泊です。午後ホテルにチェックインし、早々に市内の王府井通りに出向きました。ここは北京の目抜き通りで、東京の原宿や新宿を思わせますが、メインストリートは僅か数百mしかありません。それでも四六時中人が多く、通りを端まで見渡すことは出来ませんでした。

夕食は北京ダックをいただきました。1~5階まですべて北京ダック専門の有名店ということもあったのですが、30分以上待たされました。中国というところは基本的に予約ができず、いくら電話で必ず行くといっても信用してくれないのです。それでも待った甲斐があり、とにかく美味しかったです。

2日目

初めてのウイグル料理

2日目はウルムチ目指して再び飛行機です。北京から約4時間のフライト。

タクラマカン砂漠や天山山脈を眺めながら機内食でウイグル料理をいただきました。初めてのウイグル料理だったのですが、なんと日本のうどんそっくり、と言うよりそのものでした。ウルムチ市内 新疆大学(もしかしてうどんのルーツだったりして!?)麺はうどんなのですが、スープは野菜たっぷりの羊肉炒めがのっています。お味のほうはバッチリ、トマトベースで日本人の口にも合います。でも、麺が少々のびていたのが残念でした。あとで知ったのですが、本当は麺がのびないようにスープは食べる寸前にかけるのです。そして、とにかく麺がのびないうちにあっ!という間に食べてしまうのです。現地の人たちは2玉ぐらいのうどんに具沢山のスープをたっぷりかけて、私が熱くて半分も食べないうちに完食していました。

ウルムチはウイグル自治区の中心都市で、空港から街に向う車窓の眺めは大都市そのもの。正直、中国の田舎町(失礼!)を想像していた自分が恥ずかしくなりました。 気温は一年の寒暖の差が激しく、夏は40℃、冬は-10℃にもなるそうです。私が着いた8月のお昼時はいきなり38℃を上回っていました。

トルファンまで移動

中国と日本の時差は-1時間です。これは北京を中心にしていて、中国はどこにいっても北京時間です。それでも飛行機や列車の時刻は北京時間表示でしたが新疆はウルムチを基準にした現地時間(日本とは-4時間)で行動していました。しかし、大学の授業などはやはり北京時間で動いているとのことで、現地時間の朝5時ごろから授業がはじまるそうです。夏はいいですけど冬は大変でしょうね。 この日はいっきにトルファンまで移動するため、昼食をすませると早々に自動車で出発です。

トルファンまでの道程はほとんどが高速道路で3時間半あまりの快適な移動でした。 砂漠の中を一直線 ウルムチの街を出るときに「砂漠に出る場合はこれが無いと大変なことになります」と言われ、凍ったペットボトルのミネラルウォーターを買わされたのですが、その時は半分冗談だと思っていました。車の中はほとんどクーラーを使っていなかったのですが窓からの風だけであまり暑さは感じません。それは湿度が10%ぐらいしかないからなのです。つまり日陰にいればそんなに暑さは感じず、汗も思ったほどかきません。その代わり呼吸や肌から水分が蒸発しているのですね。トルファンに着く頃、気が着いたらミネラルウォーターが空っぽになっていました。湿気が多い日本ではちょっと理解し難いですね。

風力発電群トルファン

砂漠地帯に突然現れた風力発電機、100機以上あると思われます。確かに強い風が休むことなく吹き続けていました。 突如現れた風力発電群トルファンに着いたのは現地時間で午後6:30ごろ。まだまだ日はあるのですが、夏休みでシルクロードの観光地という事もあって、なかなかホテルが取れません。今回は一切旅行業者を使わず現地の大学の先生に案内していただいたので、前にも書いたように事前予約ができません。結局30分ぐらいウロウロして漸くチェックインすることができました。しかし、現地の人が交渉しただけあって、なんとフロントの表示価格の約半分で泊まることができました。普通なら日本人だとボラれてしまうところですがこれには感謝感激です。

3日目

トルファン名産 ブドウ

トルファンの名産の一つにブドウがあります。これは市内にあるぶどう棚の遊歩道です。 翌日はトルファン周辺を廻ってみました。ここはシルクロードの中心にある街でその昔からオアシスとして栄えてきたところです。旧所名跡が沢山あり、日本人観光客もそこそこいました。

地下水路 カレーズ

中でもカレーズと呼ばれる地下水路は一見の価値ありです。山麓から取水した水を数十m間隔に縦穴を掘って繋げたもので、新疆全体で1300もあり、500年余り前から作られ始めて今も利用されています。水はとっても冷たくて紙コップ1杯0.5元(約7円)で売っていました。まさに天然ミネラルウォーターといったところです。因みにphは7.94とアルカリ性です。

ベゼクリク千佛洞の駐車場脇で体験乗馬ならぬ体験乗駱駝?!

ここは砂漠のど真ん中?ではありません。トルファンの郊外にあるベゼクリク千佛洞の駐車場脇です。観光客あいての体験乗馬ならぬ体験乗駱駝?!

天然の要塞都市、交河故城

その日、最後に訪ねたのは交河故城です。交河故城東西を川に挟まれた東西最大330m、南北1600mの台地上にある天然の要塞都市です。近年、中国の新疆文物考古研究所と共同で日本の早稲田大学の調査隊が多くの出土品を発掘したそうです。

ラフマを発見

夕方、閉門ギリギリに出ようとしたとき、なんと城の入り口付近でラフマを発見。もうすぐ門が閉められてしまうので慌ててカメラにおさめました。 付近の川岸などを捜したのですが、それ以上見つけることはできませんでした。でも、すぐ脇の石畳に小さな芽が出ていてチョッピリ感激です。

ウイグル料理は羊肉

この日はトルファンに連泊、夜は白酒(パイチュウ)で乾杯しました。中国に来て3日目、内陸的気候にも馴染んできてちょっと気持ちが緩んだのか、気がついたらホテルのベットで眠っていました。 写真でも紹介していますが、ウイグル人はイスラム教徒なので豚を食べません。お肉はほとんど羊肉です。正直、出かける前はかなり臭うかなぁと思っていたのですが、案外平気でした。野菜や果物が豊富で本当に何を食べても美味しかったです。でも、ホテルのバスタオルがマトン臭かったときがあり、これにはちょっと閉口しましたけどね。 味はとっても美味しいです。中華料理より日本人には合うかもしれません。 でも、お肉はすべて羊肉。慣れてしまえば・・・。

4日目

サージ(沙棘)の木

中国に来て4日目、この日は1日かけてコルラに移動です。 ホテルを7:30に出発。途中いろいろな植物を見ながら走りました。たまたま立ち寄ったガソリンスタンドの脇にサージ(沙棘)の木が生えていました。最近日本でも健康食品で扱われるようにようになってきました。グミ科の植物で果汁がよく使われています。乾燥や気温の変化に耐える強い植物で、中国だけではなく世界中に分布しています。果実が熟れると濃いオレンジ色になるのですが、これはまだ若くてみどり色です。

ラフマとよく似た植物、ハクマ(白麻)

午後になって道路際の土手にラフマとよく似た植物のハクマ(白麻)を見つけました。ラフマに比べると背丈が低く、ラフマは花が鮮やかなピンクでラッパスイセンのように細長いのに対し、ハクマハクマはかなり白っぽくて釣鐘型で下を向いています。また、ラフマは付近に水があるところに生えていますが、それに比べるとハクマは比較的乾燥したところが多いようです。この場所も付近に水はなく、土の表面は乾燥して塩が吹いていました。この塩は場所によって15cmも堆積し、上をはがして中の方だけ採取して天塩として使っているそうです。舐めてみたら甘みがある美味しい天塩でした。

コルラ

日も傾き始め峠を越えればコルラというあたりまで来たときです。突然の大渋滞で、山の上までずっと渋滞が続いていました。すると、運転手さんはいきなり道を外れて砂漠の中を走り始めたと思ったら、2kmぐらい先の渋滞に合流できるところに並んでしまいました。さすが中国、とにかく早いもの勝ちです。日本なら大ヒンシュクですよね。おまけに2車線しかないのに対向車線まで並んでしまっています。結局、車両火災が原因で一時通行止めだったのですが、開通しても双方車線が埋まってしまって1時間以上も待たされてしまいました。

ところで、この渋滞待ちの間に道端のペットボトルを拾っている人に出会いました。その人が来るとみんないっせいに車内にあったカラのペットボトルをすてるのです。彼はお礼のようなことを言ってその場で潰して袋に入れて立ち去って行きました。早い話が廃品回収業で子供がよくやっているそうです。なんと日本の使用済みペットボトルも全て中国に輸出されていて、日本のリサイクル工場は閑古鳥が鳴いているとか。中国の資源集めは石油や天然ガスだけではないのですね。中国の底力を垣間見た気がしました。

コルラという街は石油ラッシュで大きくなったところでトルファンのような観光地ではなく、基本的にビジネス中心の街です。街の中心街を大きな川が轟音をたててながれていました。この川は車で30分ほど西にいったところで10kmはあろうかと思われる堤防ダムに堰き止められ、そこの出来た人口湖に砂浜が造られてリゾート化されていました。湖の真ん中にある島には珍鳥動物園があると手書きの看板が立っているのですが、そこには孔雀やオウムが描かれていました。確かに鳥を見かけた記憶がなく、孔雀やオウムでも珍鳥なのでしょう。付近には別荘方式のホテルもあったようですが、値段が高いのか人はまばらで高額所得者しか利用できないようです。

5日目

ロプノール

中国に来て5日目。
コルラから車で1時間あまり、イリ(尉犁)という街にあるラフマ工場を訪ねました。イリはコルラのような商業都市ではないのですが、ロプノールの歴史をもった街です。あとで紹介しますが、ロプノール博物館があり、歴史民族展を見学できました。
ラフマ工場の工場長とは街の中心にあるロプノールホテルで待ち合わせです。外は炎天下なのですが、建物の中は床が大理石貼りになっていて空調以上にひんやりしており、ちょっと歴史を感じさせるホテルでした。通りの向こうでは日焼け顔に小さな白い帽子が似合う老人が民族楽器と思われる太鼓を演奏していて、まさしくシルクロードを感じさせる雰囲気が漂っていました。

【ロプノールホテル:駐車場から写したものです。
外観はこじんまりしていますが奥行きがあって、なかなか立派なホテルでした。昼食はレストランの個室でご馳走になったのですが、ここで食べたシシカバブーが一番美味しかったです。
現地の方曰く、「ロップ地方の羊が一番うまい。それは春に一番はじめに芽を出すのがラフマであり、羊は他の草が生えるまでラフマを食べているからラフマが生えていないところの羊より旨いのだ」とか!? 】

ラフマ工場

ロプノールホテルから車で10分、ラフマ工場に到着です。
この工場は主にラフマの茎から繊維をとっており、「麻のように爽やかで綿のように柔らかく絹のように 光沢があり、天然繊維の王様」と賞賛した大きなポスターが掲げられていました。

工場内にはラフマラフマと白麻(ハクマ)が植えてあり、 特にラフマは新しく試験生産畑が設けられていました。繊維の材料としてはラフマもハクマも区別なく使用しているのですが、お茶は区別していて、ラフマの方が圧倒的に高級品扱いしていました。

実際、お話しを聞きながらラフマとハクマのお茶をご馳走になったのですが、味はまさにハーブティーといったところで、ひいきすることなくラフマの方が遥かに香りも味も勝っていました。

【茎を繊維状にしたもの(赤茶色)と精製したもの(白)。精製した白い方を手にとって触ってみると確かに柔らかいのですが、しっかりした感触もあって不思議な感じ。】

【お茶は色が濃いのがラフマです。】

帰りがけに工場の入り口にある製品販売所でお茶の葉を買いました。 繊維製品はカッターシャツや肌着、靴下などが展示されていましたが、大変な高級品で普通の中国人には買える品物ではないとのことでした。(なんとカッターシャツが1枚¥12,000-!ブランド品並ですね)

更に、15分ほど車に乗ってハクマが自生しているところに案内していただきました。市内周辺の乾いた土地にはハクマが多く、肝心のラフマが自生しているところは一日がかりでないと行けないとのこと。この日は既に昼を過ぎていましたので断念することにしました。

【背丈は1~1.5m、釣鐘型の白っぽい花が特長】

歴史民族展

昼食後、市の博物館で歴史民族展を見学させていただきました。行った時は改装中で休館していたのですが、特別に市役所の案内係の人を呼んでいただき一点一点丁寧に説明をしていただきました(感謝感謝)。
ロップ人と呼ばれる民族が数千年かけて西へ移動してきた軌跡が壁一面に紹介されており、遺跡の模型や出土品とともにミイラが展示されています。ミイラの装飾品にはラフマの繊維が多く使われていました。衣服の他にうどんを打つときに使用した袋があり、「数十年も使えるほど丈夫なのです」と力説していました。

150年前のオーバー

別の展示室には住居を再現した小屋があり150年前のものとされるオーバーが掛けてあったのですが、裏地を何度も替えて使われてきたものだとか。ほんとに丈夫な繊維なのだと実感しました。
【150年前のオーバー)】

【ロプノール博物館にて。
残念ながらミイラなどの発掘品は撮影禁止。 上の再現小屋内の中央のテレビはもちろんガイドビデオを映すものです。】

6日目

6日目、ラフマ工場に電話をし、なんとかラフマの自生しているところへ行けないか交渉したところ、日帰りできるところを教えていただきました。但し、普通の乗用車では無理とのことで四輪駆動の大型車をレンタルすることになりました。まもなくホテル前に運転手付きのレンタカーが到着(こちらのレンタカーは必ず運転手さんが付いてきます。車だけ貸すと盗まれちゃうのかな!?)。例によってミネラルウォーターを多めに買い込み、今回はスイカを丸ごと一個とお弁当代わりのナンも買い込んでいざ出発。

砂漠の中の一本道

移動を開始して1時間と経たないうちに砂漠の中の一本道です。数十メートルおきに川を渡るような感じで、とにかく両手で体を支えないとどこかに飛んでいってしまいそうです。途中の休憩は1回だけ。車を降りて背伸びをしていると、どこからともなくハエが飛んできて、1人につき数匹づつ顔の周りにまとわり付いてきます。きっと、皮膚から蒸発している僅かな水分を求めて飛んでくるのでしょうね(特に目や口の周りにたかられるのでたまりまセ~ン)。
【あっちこっちに生えているのは漢方薬で使われる麻黄(マオウ)で、数百年も生きます。やっぱり厳しい環境で育つだけあって長生きですね。】

そろそろお尻が限界だと思ったころ、漸く小さな川(湧水)がある谷間に出ました。ラフマそこは日本の川辺でもよく見るような下草やススキのような植物が生えており、その中に数個の株がかたまった状態でラフマが自生しています。ラフマ1株のかたまりは20~30本ぐらいの穂が生えていて両腕では抱えられないぐらいあります。

高さはハクマと違って2~3m余りに成長し、それぞれの穂の先に小さな鮮やかなピンク色の花を付けています。夢中になって写真を撮っていましたが、いつのまにかこころが癒される感じがしてきました。僅かに水が流れる音がするだけで風の音もしません。小さな黄色い蝶が戯れていて、なんだか別世界に来たようです。まさに砂漠の中の小さなオアシスといったところです。

【ヤッホー!やっとラフマに会えました。感激!】

旅の終わり

僅か2時間余りの滞在でしたが、ちょっとした砂漠横断の旅(かなりオーバー)を経験させていただいたようで、帰り道まで興奮し続けていました。 現地の運転手さんによると、今回案内していただいたところよりもっと遠い砂漠の奥地に、近くに村もある大きな保護区があるのだそうです。2週間ほど前に行ったばかりだとか。でも外国人の立入りが規制されているとのことで、許可がないと連れて行けないそうです。今度来る時は役所に許可をもらう余裕をもって来なさい、と言われました。それってどのくらいの余裕ですか?と聞いたら、最低1週間ですって。予約が効かない国ではしかたがないですね。それよりも、そんなにちょくちょく来れませんよ。今回はここで諦め、現地の方に写真だけお願いすることにしました(残念)。

道が舗装路になると、あっと言う間に空港についてしまいました。
そう、これでこの旅も終わりなのです。
昨日までいっしょだった車と運転手さんは一足先に帰ってしまい、ここからは飛行機でウルムチまでひとっ飛びです。あちこち寄り道しながら約1週間かけて移動してきましたが、明日は北京経由で日本へ。旅の終わりはやっぱり名残惜しいですね。
最後の晩餐はウルムチの街で出来たばかりのきれいなシティーホテルにいきました。それはそれはゴージャスなお店で、ほんの数時間前には砂漠の入り口をウロウロしていたのが嘘のようです。冒険旅行をしていたつもりがいきなり現実社会に戻されたようで軽いカルチャーショックが・・・(あ~帰りたくない)。

最終日、日本へ向けてひたすら移動です。飛行機の中でいただいた・・・・ウイグル・・・うどん、やっぱり少しのびていたけど美味しかったです。ラフマのふるさとも見れたし、ウイグル料理はおいしかった、新疆ウイグルバンザイ!、ラフマバンザイ!!

~食いしん坊のコラム~

中国新疆旅行記、いかがでしたか。
お読みいただいたほとんどの方にはバレバレですが、何を隠そう(隠してない)私の趣味は食べること。そこで、お料理関係をちょこっと追加しました。是非お読みください。

シシカバブー
今回の旅でほとんど毎晩食べていたのがシシカバブー。
古くは、紀元前1000年ごろの化石がシルクロード天山南路の且末(チエモー)の熱砂の中で見つかっているとのこと(ウルムチの新疆博物館に展示されている)。国や地域によって牛や鹿の肉とともに野菜を串刺しにしたものや、ひき肉をこねて串に棒状に付けたソーセージのようなものもありますが、新疆では羊の肉を小さく薄切りにし、鉄串に刺して炭火に炙りながら唐辛子と塩に茴香(ウイキョウ)を少々加えてものを振りかけます。
日本で食べる羊のように臭わないのですが、高山で放牧されていて塩分の多い土(つまりアルカリ土壌ね)に生える草を食べているからだとか。(たぶん本当!)ウウ~~~!あの香ばしい香りを思い出すだけでお腹が空いてきます。
ハミ瓜と味見はタダ!
とにかく芳しくて甘くて美味しいです。
名前の通りハミと言う街が本場と思っていましたが、実はトルファンが本場だそうです。いわゆるスイカも甘くて美味しいのですがハミ瓜にはかないません。バザールの一角には必ず果物を売っており、ウイグル人といっしょに歩いていたら、お店の人と二言三言話をしながら桃やブドウをつかみ取るとガブリと食べてしまいました。「これはまあまあだね」と言って食べろと手に渡されました。チョット躊躇しましたが何か買えばよいのだろうと食べているうちに次の店へと行ってしまいました???!・・・。後で聞いたら、味見をするのは常識で勝手に取って食べてもいいし、食べたからといって気に入らなければ買わなくても問題ないそうです。もちろん、ハミ瓜やスイカは切り売りしているのをちゃんと買ってたべましたよ。
ナン
ナンといったらカレーにつけるインドのものを想像しますよね。でも、ウイグルのナンはいわゆるパンです。
直径25~30cmぐらいの大きさで丸い菊の花をかたどったものや宅配ピザのように淵が盛り上がっていてキッシュの生地を思わせる形をしています。かなり硬くて歯ごたえがあるのですが、味は素朴なパンに僅かに味があるようなないような・・・。一度は試してみてもよいと思います。現地の方の朝食はほとんどがナンだそうです。