ラフマとは

ラフマとは

天然ハーブ素材ラフマとは

ラフマは、中央アジア及びヨーロッパ温帯地域に自生する宿根草。主産地は中国新疆(シンキョウ)のウイグル自治区タリム盆地で、青海省、四川省にも分布しています。中国薬典に記載された生薬で、「肝臓を鎮め、心を安定させます。不眠、高血圧症、神経衰弱に使用する」と記されています。現地では、ラフマの繊維が服や魚網に用いられたり、葉を茶として利用したりしてきました。ラフマ葉を焙煎して日本人の口に合うようにしたヤンロン茶は、高血圧の改善を促すとして特定保健用食品に認定されています。
常磐植物化学研究所のベネトロン®は、ラフマの乾燥葉を含水エタノールで抽出し、精製工程を経て製造される粉末エキス。抗ストレス・抗うつの代表的な西洋ハーブであるセントジョンズワート(SJW)の主成分の“ヒペロサイド”と“イソクェルシトリン”を計4パーセント以上含有で規格しています。

図:ヒベロサイド(H)+イソクェルシトリン(I)合計で4%以上含みます

産地

ラフマはキョウチクトウ科に属し、中国からヨーロッパ、アジアの温帯地域に自生する多年生草本です。原産地は、中国新疆(シンキョウ)ウイグル自治区のタリム盆地にあった、さまよえる湖‘ロプノール(羅布泊)’周辺と言われ、ラフマの名前はロプノールにちなんで付けられました。

水辺付近でよく見かけることができ、草丈は1~2mで、6~7月頃に薄紅色または淡紫色の鐘型の花をつけます。葉は長さ2~5cmの楕円形でお茶として飲用することができ、ラフマは古くより人々の生活によく溶け込み、馴染まれてきました。別命として紅麻、野麻、茶葉花などと呼ばれています。

ラフマの近縁の植物として、白麻(ハクマ)と呼ばれる植物がありますが、製造元の常磐植物化学研究所では、ラフマだけを厳選して入手する環境を整えました。ベネトロン®はいつでもラフマ100%の安心できる製品です。

なお、ラフマは学名をApocynum venetumといい、ベネトロン®の製品名はラフマの力をそのままお届けしたいという思いから、学名にちなんで名付けられました。

歴史

中国の西北地方では、ラフマの比較的若い葉をお茶として飲む習慣が古くからあります。 ラフマ茶は人々の健康に役立つとされ、中国では、「ラフマが自生する地域の住民は長生きする」と伝えられてきました。このラフマがメンタルケアのハーブとして知られるようになったのは、ごく最近のことで、2001年の論文発表に端を発します。以来、ラフマエキスベネトロン®について、さまざまな研究が行われ、安全性とともに健康で元気な毎日のためによい結果が得られています。

ベネトロン®は、このようなラフマのメンタルハーブとしての新しい利用方法を形にしたものです。

生産

ラフマの葉にはフラボノイドやカテキン類などが豊富に含まれています。これらの成分は健康に良いと言われるものがあります。
原料となるラフマは天然に自生しているものを収穫し害虫の被害もないため、農薬は一切使用しておりません。収穫された葉はその場で乾燥され、日本へ送られます。そして国内の製造工場で厳密な品質管理化の下、ベネトロン®は製造されております。

Special Interview
“ラフマエキス(抽出物)”に詳しい静岡県立大学名誉教授 横越英彦氏にお話を伺いました。

「ラフマは、エビデンスを備えた
睡眠の質を高める、手軽に活用できる素材」

現代人の多くは、社会環境、人間関係、家庭環境などの外的ストレスに毎日さらされています。極度のストレスを受けた結果、うつ、不眠、不安などに代表されるような「心の病」を抱え、これらの症状が悪化することにより、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの身体の異常を招くなど、ストレスに起因する健康被害が増えてきています。
睡眠改善・抗ストレス素材として研究が進められているラフマ(羅布麻)は、「中華人民共和国薬典」に記載されている植物で、その適用は、心臓病、腎炎、高血圧、不眠症、神経衰弱などで、お茶として古くより利用されてきました。
これまでの研究で、ラフマ葉から抽出されたベネトロン®(ラフマエキス(抽出物))は、抗ストレスハーブとして有名なセントジョンズワートと比べて、抗ストレス効果は30倍以上強いことが確認されています。また、安全性の観点からも、セントジョンズワートは医薬品との相互作用や光過敏症のような副作用が報告されていますが、ベネトロン®は、そのような副作用がない、安全性の高い睡眠改善・抗ストレス素材です。
ベネトロン®に関する研究は多数報告されていますが、最新のヒト臨床試験では、ベネトロン®を摂取することで、睡眠の質(寝つき・眠りの深さ・熟眠感)の向上、ストレスの緩和、集中力の維持効果が確認されています。
ベネトロン®のメカニズムの一つとして、脳内の抑制性神経伝達物質であるギャバ(GABA)の取り込みを促進することが確認されています。また、抗ストレス素材として利用されているギャバは、ストレスにより誘導されるドーパミンなどの興奮性神経伝達物質過剰分泌を抑制し、リラックス効果を発揮することが知られています。2009年に行われた研究では、ベネトロン®とギャバの効果を、ヒト対象のストレス負荷試験(クレペリンテスト)で検証した結果、単品での摂取において、精神的ストレスマーカー(唾液クロモグラニンA)の上昇を抑え、さらに同時摂取した場合には、相乗的に抗ストレス作用を示すことが確認されました。
現在、人は、老若男女を問わず、何らかのストレスを常に感じて生活しています。ストレス解消法は、個々人で異なりますが、時間的、金銭的、精神的に比較的負担の少ない方法の一つとして、抗ストレスサプリメントの利用は有効と考えられます。その中でも、ベネトロン®やギャバは効果のエビデンスを備えており、推薦できるものと考えられます。

静岡県立大学
名誉教授
横越 英彦氏

京都大学農学部卒業。名古屋大学大学院農学研究科農芸化学科博士後期課程満了。農学博士。その後、静岡県立大学大学院生活健康科学研究科助教授・同教授、中部大学応用生物学部教授を歴任し、現在は静岡県立大学名誉教授。その間、米・MIT、文部省在外研究員などを務めたほか、国際学会などへ多数出席。専門は栄養学で、アミノ酸やたんぱく質、抗ストレスに関する研究が多い。「ギャバ・ストレス研究センター」代表も務めた。2010年度栄養関係功労者 厚生労働大臣表彰(日本栄養士会、全国栄養士養成施設協会)を受ける。

コラム 〜さまよえる湖口プノール〜

ロプノールはタリム盆地に実在した湖です。19世紀後半、スウェーデンのヘディンらによる探査の結果、流れ込む川の河道変遷のために湖は移動するとされ、「さまよえる湖」として有名になりました。「ロプ(Lop)」はチベット語で「泥土」、「ノール(Nol)」はモンゴル語で「湖」を意味します。湖の西湖畔には、シルクロードの要衝として栄え、4世紀の末ごろ突然消えてしまった楼蘭(ロウラン)の遺跡がありました。一説ではロプノールが干上がったために衰退したとも言われています。現在ではタリム川などの河川流路が取水ダムの影響などで湖まで届かなくなり、完全に干上がっています。オアシスを求めてロプノールにたどり着いた旅人も、干上がった湖を見て驚いたことでしょう。